東京ルミナスピラー
「な、なんだいこの攻撃は! このガキ、いくつ武器を持ってるって言うんだい!? こんなやつ、見たことがないよ!」


「私達みたいに、人間にも変異種がいるってことだろ? 別に驚くことじゃない。さ、加勢するよ。いくら強くても、三対一に持ち込めば……」


ロングソードを取り出して、遊鬼が宗司に迫ろうとした時だった。


視界の橋から、とんでもなく速い物が接近していると認識して、その方向に目を向けた遊鬼は、慌ててロングソードを構えた。


その刹那、ギャリギャリと音を立ててロングソードを擦り、黒い影が目の前を通り過ぎる。


「宗司は私が守る。宗司の敵は蘭子の敵だ」


「お、お前は! どうして東軍が私達の邪魔をするっ! ふざけるな!」


蘭子の手首の色を見て、遊鬼が怒りに満ちた声を上げた。


東軍は今や、鬼王・黒井と津堂によって鬼の領地と化しているのに、それに逆らう東軍の人間は邪魔なだけだった。


「やれやれ。あちらさんにも加勢があるようだね。少し驚いたけど……となると私の相手は……」


爛鬼が浅草橋駅の方に顔を向けた瞬間、乾いた破裂音が聞こえたが、扇を顔の前に素早く持って来てそれを受け止めた。


「名乗った方が良い? 私は窪田沙也香(くぼたさやか)。仕方ないからあんたの相手をしてあげる」
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