東京ルミナスピラー
ダメージを受けて怯んだ蘭子の足が止まる。


身体中に剣が刺されば怯むのは仕方ないが、それこそが蘭子の最大の弱点と言えた。


攻撃を受けることを嫌がって足を止めてしまえば、蘭子の持ち味である強烈な突撃が出来なくなってしまうからだ。


結果、ランスを振るう小手先だけの攻撃になってしまう。


遊鬼が再び展開した剣衾に反応して、ランスを振り回して剣を叩き落とす。


「さっきの威勢はどうした? 剣衾はね、防御だけの技じゃないんだよ!」


ニヤニヤと笑う遊鬼が蘭子に手をかざすと、横に展開された無数の剣が一斉に襲い掛かった。


次々と剣が蘭子に突き刺さり、ランスを地面に突き刺して支えにして、何とか倒れずに立てている状態。


「困った……蘭子、勝てないかもしれない」


血塗れになりながらPBSを開いて回復をしたものの、そう弱音を吐いてしまうほどに、蘭子にとっては相性が悪い相手だった。


蘭子はその攻撃スタイルから、相手が攻撃をしてくる前に撃ち貫くことを得意としている。


超スピードでの突撃だけに、相手に攻撃をさせる暇を与えなかったわけだが、それは自分と同等、もしくはそれ以上の実力者と戦って来なかったということを意味していた。
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