東京ルミナスピラー
蘭子も沙也香も劣勢の中、宗司も決して優勢とは言えない戦いを繰り広げていた。


どんな武器で、どんな攻撃を仕掛けても、秋本が扱うハルベルトによって阻まれて攻撃が届かずに、宗司は徐々に苛つき始めていた。


「こんなに強かったのかよ……『バベル』も『ヴァルハラ』もチートかよ! 真面目に強くなったこっちの身にもなれってんだ!」


普通なら扱いにくいウォーハンマーを振り回し、秋本のハルベルトに力任せに打ち付ける。


いくらスピードのある軽い攻撃を仕掛けても、秋本に防がれるのは目に見えている。


だったらと、一撃が重い攻撃に切り替えたのだ。


通常、棍棒やウォーハンマー等のパワータイプの武器はスピードが遅いが、様々な武器とそのスキルを使いこなす宗司にとって、それはマイナスとはならなかった。


速度の遅さは他の武器のスキルで補えたし、超高速の重量攻撃は、宗司だけの特殊な攻撃法と言えた。


「オラオラ! いらっしゃいませいらっしゃいませ! ご注文は息子の怒りですか!? それとも捨てられた家族の恨みですか!? お好きな方をお選びください!」


まるで重さを感じさせない宗司の連撃を、後退りしながら秋本はハルベルトで防ぐ。


秋本は北軍の人間で、灯がキングを破壊したことでレベルが半分になったはずなのに、こうも簡単に凌がれているという事実が宗司には面白くなかった。
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