東京ルミナスピラー
「そうか、宗司のお父さんが蘭子に教えてくれた。蘭子はまた強くなる」


チラリと横目で宗司と秋本の戦いを見ていた蘭子が、深呼吸を一つ。


今までになく落ち着いた雰囲気でランスを構えた。


「どう強くなったのか教えてほしいねぇ。まさか、剣衾が横に並ぶだけとか思ってるわけじゃないだろうね?」


そんな蘭子に対し、遊鬼はまた剣衾を展開した。


今までと違うのは、蘭子の周囲をぐるりと囲むように展開されているということだ。


「大丈夫……蘭子、怖くない」


遊鬼が手をかざすと、蘭子を取り囲む剣の群れが一斉にその中心部に向かって襲い掛かった。


全ての剣が蘭子に突き刺さるかと思った瞬間、蘭子はランスから手を離し、そして地面に向けて再度取り出したのだ。


地面を突き刺すランス。


そしてその反動で上方に移動した蘭子。


剣の群れはランスに直撃し、弾かれて消えて行く。


「なっ! 避けただって!?」


剣衾を回避した蘭子は着地と同時に再びランスを取り出し、超高速で遊鬼に迫った。


直撃する寸前でロングソードを取り出して、ランスの軌道を逸らした遊鬼は流石と言える。


だが、蘭子はランスの先端を地面に突き刺して強引に動きを止めると手を離し、右手を横に構えてランスを取り出し、横にスイングして遊鬼に打ち付けたのだ。
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