東京ルミナスピラー
宗司と蘭子が善戦する横で、一人満身創痍の沙也香は、爛鬼の動きを見切れないでいた。


幻に怯え、攻撃を回避しながら補充された銃弾を放つ。


だが、闇雲に撃ってもそんな攻撃が当たるはずもなく、幻をすり抜けて行くだけ。


「ああっ！ もう！ こんなの勝てるわけがないじゃない！」


「おやおや、癇癪を起こして諦めるのかい？ 思ったよりも根性がないんだねぇ？ それじゃあそろそろ、なんの足しにもならないとは思うけど、お前さんの肉を頂くとするかね。ほんの少しでも私の強さのプラスになっておくれよ」


地団駄を踏む沙也香を嘲笑しながら、ゆっくりと正面から現れた爛鬼。


それが大きな口を開いて近付いて来るのを見て、沙也香はニヤリと笑って素早く後方を振り向いた。


「何度も同じ手を食うと思ってるわけ？」


銃弾はない。


弾丸の数を数え続けて、補充されてすぐに撃っていたと確信している爛鬼にとって、その行動は単なるブラフだと思っていたわけだが。


「百発百中！ マシンガンブレット！」


沙也香がそう叫ぶと、銃口からその名の通り、マシンガンのように超高速の弾丸が連射されたのだ。


咄嗟に横に飛び、爛鬼はその銃弾の嵐を回避して苦笑いを浮かべた。
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