東京ルミナスピラー
「見たか聞いたか! 俺が神凪……宗司様だ!」


秋本が地面を転がり、爛鬼と遊鬼に覆い被さるように倒れた。


手にしているハルベルトが破壊され、宗司が押し勝ったということは、誰の目にも明らかだった。


仮に秋本が起き上がったとしても、武器が破壊されてレベルが半分になっているなら、宗司に勝てるはずがないと。


「おお……宗司。お父さんを超えたか」


蘭子が駆け寄り、宗司をギュッと抱き締める。


「やめなさい! 人が見てるでしょうが! まあ、クソ親父に勝てたは勝てたけどよ。レベルが半分になってやっと勝てたって感じだな……くそっ! なかなか高い山じゃねぇかよ」


倒れている秋本を見た後、チラリと沙也香に目を向けた宗司。


年齢は灯より上だというのは、その立ち振る舞いから宗司にはわかった。


身長は灯の方が少し高いだろうかと、別人だと理解していてもどうしても比べてしまい、宗司は首を横に振った。


「えっと。俺は神凪宗司でこいつは黒井蘭子。東軍だけと俺と一緒に行動してる」


「そう。私は窪田沙也香。『鉄の女』なんて言われてるみたいだけど、なんでだろうね」


「沙也香……か」

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