東京ルミナスピラー
秋本は遊鬼と爛鬼の上に倒れた。


それは、死にかけていた二匹の鬼に、秋本という食糧を与えたことになってしまったのだ。


倒した時点でとどめを刺せば、こんなことにはならなかっただろうに、みすみすパワーアップをする機会を与えてしまった。


「こいつら! くたばれ!」


ウォーハンマーを取り出して、地面に倒れる二匹の鬼の頭部を潰して行く宗司。


そこまでしてようやく光の粒に変化して、鬼達もまた、どこかで復活するのだろうと光を見送った。


「ご、ごめん。私がとどめを刺さなかったばかりに……今の、あんたのお父さんだったんでしょ?」


「気にすることはねぇよ。どうせ殺さなきゃならなかったんだ。まあ、食われたのは哀れだって思うけど、俺は同情はしねぇ」


魂の鎖に囚われていたら、殺すしか方法がない。


秋本がいつ囚われたのかはわからなかったが、最後に会った時だと仮定すると、何日も経過しているからソウルストーンはあるだろうという判断だった。


つまり、殺しても北軍のどこかで復活する。


それがわかっていたから、宗司は遠慮なく武器を振るったのだ。


「ところで、沙也香さんは何だってこんなところに? 秋葉原の方に行けば安全なのに」
< 813 / 1,486 >

この作品をシェア

pagetop