東京ルミナスピラー
神妙な面持ちで話す大塚さんを見て、言いようのない不安を覚える。


いや、つよさランキングに父さんの名前は載っていたから、死んだとかそういうことではないはずだ。


「千桜さんの話だと……『北軍浄化会』という新興宗教が出来て、今もなお、その勢力を広めているようですね」


新興宗教……って、確かにそりゃあきな臭い。


だけどそれほど心配するようなことじゃないだろ。


「んなもん、ただの派閥と変わんねぇだろ。南軍だって一時期は伊良派、月影派、池田派に分かれてたんだ。それだって新興宗教と大した違いはないと思うぜ?」


伊良の言う通り、派閥も新興宗教も似たようなものだ。


リーダーがいて、それに付き従う人がいる。


今更驚くようなことでもないような気はするけど。


「うーん、なんと言いますか。これは直接見てもらった方が、私が説明するよりも早いのですが。とにかく異様と言いますか、常軌を逸した人達だということだけは覚えておいてください」


「あ、あの……そんなやつらがいるのに、吹雪さんや拓真は何も動いてないんですか?」


そんかわけのわからないやつらがいたら、真っ先に動きそうなのに。


吹雪さんのイーグルアイなら、そいつらの本拠地を暴き出して壊滅させることだって出来るはずだよな。
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