東京ルミナスピラー
「……宗司の敵。葵にだけは負けたくないって言ってた!」


「えっ? えっ!?」


目を塞がれているから何が起こっているのかわからないけど、慌てた様子で夕蘭が手を離し、俺の視界には高架から飛び降りている蘭子の姿が映っていた。


スカートが捲れ上がって、ピンクのパンツが……って、言ってる場合じゃない!


ランスを容赦なく俺に突き付けて、ギリギリのところで後方に飛び退いた俺は、アスファルトを穿ちながら着地した蘭子を見た。


「俺が……敵? 宗司が俺を敵だって言ったのか?」


「そう! だから蘭子は葵と戦う! ここに一人ぼっちでいても! 宗司のお願いなら蘭子はなんでも聞く!」


ランスでアスファルトを捲りながら突撃して来る蘭子。


一体何が何だかわからない!


どうして俺が宗司の敵で、蘭子に攻撃されなきゃならないんだ!


「待て! 蘭子は一人でここにいるのか!? 宗司はどうした! こんなところに蘭子を残して……」


「宗司は! 沙也香を連れて秋葉原に行った! 蘭子は宗司が戻ってくるまでここを守るって約束した! だから寂しくなんてない! 宗司が戻って来たら褒めてくれるから!」
< 899 / 1,486 >

この作品をシェア

pagetop