東京ルミナスピラー
流石に蘭子の攻撃は重くて速い。


日本刀で弾こうとしても押し負けるから、軌道をずらすのが精一杯だ。


「ああっ! もう! そんな言い方じゃ話にならないでしょ!? 相手は中学生の女の子なんだよ!?」


そんなこと言われたって、どう話せばいいんだよ。


そう言えば……月影の特訓を受けていた時に言われたことがあるな。


「葵は戦闘技術の上達は目を見張るものがありますが、女性の扱いはお粗末ですね。相手を受け入れてあげないと、いつか背中から刺されるかもしれませんよ?」


って、何を大袈裟なことを言ってるんだと思ったけど、仲間だと思っている子から攻撃を受けている今が、まさにその状況じゃないか。


確かに俺は、蘭子と会ってから「自分の思い」をぶつけただけだ。


相手を受け入れる……か。


宗司の為にと思い込んで俺を攻撃している蘭子に、言葉で説得しても無理そうだな。


俺が何を思っているか……蘭子に伝えるには覚悟がいる。


突き付けられたランスを掴み、後方に軌道をずらしたと同時に距離を取って深呼吸をひとつ。


「蘭子は葵を殺す! そしたら宗司は……」


「わかった、来いよ。蘭子」


俺は両手を広げて、蘭子をジッと見詰めた。
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