東京ルミナスピラー
確かに地図を見れば、線路と両国橋の二箇所しか、両国から西軍に通じる道はない。


特に線路は、両国から直通で来られるから守りが大事だと言うのも納得だし、防衛の為に強い蘭子を配置するというのも合理的に思えるけど。


「……葵と夕蘭は、やっぱりタケさんの方につくのか? お父さんだからそうだよね」


体育座りで、顔を伏せてそう尋ねた蘭子は寂しそうに。


「いや、正直、何がどうなってるのかさっぱりわからなくてさ。お互いに理由があって戦ってるのか、それとも一方的な理由なのか……それを聞いてから判断しようと思うんだ」


「お、おおお……今すぐ行くのか?」


蘭子が何を考えているかはわからないけど、目を輝かせて俺と夕蘭を交互に見る。


「いや、まずは北軍に行く。なんか変な新興宗教があるみたいでさ、大したことがないならすぐに戻ってくるつもりだから」


月影はきな臭いと言っていたけど、新興宗教というだけですでに怪しさはある。


その時にも言ったけど、俺達は軍やグループ単位で動くことが多くて、新興宗教と言えどもその枠から外れていなければ大した脅威でもないのだ。


だから、北軍へは状況の確認に行く程度にしか考えていなかった。

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