東京ルミナスピラー
『聖戦が終了しました。お疲れ様でした』
何とかギリギリ北軍に入った俺達。
北軍には悲しい思い出が多くて、あまり来たいとは思わない。
「るんるん。友達と一緒。蘭子嬉しい」
一人ぼっちじゃなくなったのがよほど嬉しかったのか、それとも友達という言葉が嬉しかったのか。
俺を夕蘭の真ん中で、三人で手を繋いで歩いていた。
「な、なあ蘭子。友達だからって何も手を繋がなくてもいいんじゃないか? 学校の友達といつも手を繋いでるわけじゃないだろ?」
喜んでくれるのは俺も嬉しいけど、なんと言うか……照れる。
「おお、確かに友達とは手を繋いでない。ゆいちゃんが蘭子にしてることをすれば良いのか?」
ゆいちゃんが誰かは知らないけど、きっと蘭子の友達なのだろう。
「そうそう。ゆいちゃんが蘭子にしていることを、普通に……ん? 友達になにかするのか?」
何を言っているのかがよくわからなくて首を傾げると、蘭子は手を離して俺の頬に手を添えた。
そして、反対側に頬にキスをしたのだ。
「ちょ、蘭子ちゃん! 何やってるのいきなり!」
慌てて夕蘭が蘭子を引き剥がすが、蘭子は不思議そうに首を傾げた。