東京ルミナスピラー


「……なるほどね。あの結城昴を倒したのか。親友が倒されて、心中穏やかじゃないんじゃないの? 拓真くん」


俺が目覚めてからここに来るまで何があったか、待合室で話すと、吹雪さんはニヤニヤしながら拓真を見た。


「あいつは南軍最強とか言われて調子に乗ってましたからね。一回くらいキュッとやられればいいんすよ。むしろいい気味っすよ」


「おーおー、妬んでるね! いいよいいよ、そういう素直なところ、私は嫌いじゃないよ!」


昼間っからお酒を飲みながら、吹雪さんは楽しそうに笑う。


「それにしてもよ。あの宗司が蘭子ちゃんをそんな風に扱うなんて信じられんぜ。篠田さんとやり合ってるってのは耳に入ってるけどよ」


そのことも確かに気にはなるけど、まずはひとつずつ、北軍のことを確認したい。


大したことがなければ、俺達は西軍に向かうつもりだから。


「宗司のことは後で確認に行きますよ。それより北軍はどうなんですか? なんか、『北軍浄化会』とかいう新興宗教が出来たとかどうとか」


俺が二人に尋ねると、眉間に皺を寄せてお互いに視線を交えた。


「お前……なんでそこまで知ってんだよ。北軍浄化会は俺達だってつい最近知ったばかりなのによ。情報源はどこだ。変態かよそいつは」
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