30歳のクリスマスソング
 何でもなかったかみたいに、重ねた唇をいとも簡単に離したアイツ。それどもその余韻(よいん)()しむアタシから今度はキスした。





「もうちょっと…」


  次第に激しさを増して行くキス。
   まるで何もなかった
    公園の緑の上に積もって
   白いキャンパスに変えて行く
      雪の精みたい。


アイツの顔を両手ではさむと様々にその形を変えて行く何年かぶりのキス。


「久しぶり…」
「アタシも…こんなキス。」
「メリー…」
「クリスマス…」


ーーメリークリスマストゥーユー…


「それドリカム?」
「そ。」
「好きなん?セリちゃんも。」
「うん。」

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