30歳のクリスマスソング
「今年最大の宝物。」
「俺が?」
「うん。」


「俺も…」


「こんな長いキス初めてかも。」
「じゃあと1時間くらいする?」
「うん。」


そのまま床に倒れ込んだふたり。真冬の冷たい、氷のような板の床の上で、上になったり、下になったり…姿を変えた思い。


 男をこんなに愛しく思ったことなんてなかった。初めて味わう恋の蜜の中に溺れて行く恋愛慣れしなていないアラサーの女が暴走していく。


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