溺愛フレグランス


私は大きく頭を縦に振った。

「村井さんも騙されてるかもしれないのに?」
「え? それはないよ」
「何で? ああいう奴はそんな事、簡単にできるんだよ」

私はぞわっと鳥肌が立つ。

「俺的には、村井さんみたいな人の方が簡単に騙せそうな気がする。
貢いでもらうにはもってこいだし」
「朔太郎!」

私は大きな声でその話を遮った。
そんなはずはない。由良ちゃんの話では、ああいうタイプの男の人は村井さんの前では猫になるって言っていた。
それに、村井さんを騙すなんてとんでもない。
村井さんみたいな完璧主義の人間を騙すには相当な労力が必要だ。

「その日は俺も行くから。
村井さんの事も心配だし、俺がちゃんと見極めてやるよ」
「ケンかとかなしだからね…」
「俺が友和を殴ったら、俺は村井さんにその倍殴られるかもな。
それは怖いから、ケンかはしない」
「約束だよ」

という流れで、朔太郎の同伴も決まった。
村井さんの話では、友和さんもウェルカムとの事。
それもどうかと思うけれど…

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