溺愛フレグランス
心配という名の邪魔者
とうとう、私と友和さんの初デートの日が明日に迫っている。
アプリでマッチングが成立してから、アプリ内のメッセージでやり取りをして、そしてビデオ通話でのやり取りを経て、やっとのデートだ。
私は三種類のマッチングアプリに登録しているけれど、ここのシステムが一番面倒だった
でも、それだけ丁寧で注意が行き届いているという事で、ハイグレードで真剣に結婚を考えている人達が利用している。
だから、私は友和さんも立派な人だと信じている。
でも、一つだけ気になる事があった。それは友和さんがSNSをほとんどやっていないという事。
マッチングアプリのシステムは、ニックネームのやり取りからSNSのやり取りに移行するのが普通なのに、友和さんはSNSを何一つ利用していなかった。だから、お互いのスマホのビデオ通話でやり取りするしかなかった。
そこを朔太郎は怪しく思っている。
私は朔太郎に指摘されるまで、友和さんの全てを信頼していた。
でも、朔太郎がその事をとやかく言い出し始め、そう言われたら私まで何となく怪しんでしまう。
「確かに、ツイッターやフェイスブックの以前の記事を読んだりして、その人の環境や人となりが分かったりするものですけど、でも、そういうSNSを使っていない人がいても不思議じゃないですよ。
だって、SNSを毛嫌いする年代でもあったりするから」