溺愛フレグランス


「友和さんからもらった。
駅前のユウマルクでコーヒーを飲んで喋った。
また週末に会う約束をした。
これでいい?」

私だってどうしていいのか分からない。
朔太郎のやきもちは度を越えて、ただの意地悪になっている。

「全然だめ。
あいつとは会わない事。
こんな物ももらってくるな」

朔太郎はモフ男を抱っこしたままそんなひどい事を私に言い放つ。
私はいい加減腹が立って、朔太郎からモフ男を引き剥がした。
モフ男を抱っこしているからって何でも許されると思うなよ、なんて心の中で毒づきながら。

「朔、その束縛にどういう意味があるの?
私のプライベートにそこまで介入してくるのは変だよ。
私はもう三十二歳で、早く結婚したいって思ってる。
それは普通の事だよね?
この歳で独身の女性はほとんどの人がそう思う。
もちろん、私だって朔の事は大好きだよ…
だけど、それはきっと家族に持つ愛情と同じなんだと思う。
朔太郎だって、多分、一緒なんだよ。
それを朔太郎の心が勘違いしてるだけ」

朔太郎の口角がキュッと上がる。
可愛らしい幼い顔が一気に大人の男の表情に変わった。

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