翔ちゃん雨だよ一緒に帰ろ?

「誰って、実日子さんに連絡を」

「違う」

熱い大きな手が、そのまま私を強く引き寄せた。

「あいつ誰?」

岡崎君のことを、聞いてるの?

「付き合ってんだ?」

「へ?」


気付いたら翔ちゃんに抱きしめられていて、言葉を見失ってしまった。

ピッタリ重なった胸から、翔ちゃんの速い鼓動が伝わってくる。

覆い被さるような体勢の私を、翔ちゃんはさらに強く抱きしめた。

岡崎君といるとこ、見てたんだ。
それで不安になったのかな。


怖い夢の中に引っ張られそうで
置き去りにされちゃうと思ってる?



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