翔ちゃん雨だよ一緒に帰ろ?
「岡崎君、何のスイッチ入った?」
「てゆーか岡崎って肉食系だったんだね!意外!」
華世ちゃんはひどく感心している。
「でも相手が好きな子だったら、やっぱり嫌われたくないし大事にしたいし、何よりすごい勇気がいるじゃん?
簡単に手は出せないのが現実だよね。
はいこの話終わりでいい?」
「なんで終わるのよ?」
「華世ちゃんに同意!」
始まったばかりの議論だと思っていたのに、岡崎君のなかではすでに完結してしまったようだ。
「どっちかって言ったら俺は自分からガンガンいく女の子の心理に興味があるんだよね。その辺の素直な気持ちを聞いてみたい!ネタとしても貴重だ、新鮮だ」
「ネタって……なんの?」
そう問われて熱くなりすぎていた自分に気づき、我に返った岡崎君は最終的に耳まで赤くなってしまった。
「ごめんー、研究熱心がわざわいした!」
なるほど。例のバイトにいかす気だ。
私にはわかったよ岡崎君!
って目で合図をしてみた。
「あのさ、今ここで岡崎の願望はどうでもいいの。誰が美緒ちゃんにイタズラしようとしたのかが問題なんじゃん。ほら美緒ちゃん、いい加減吐きな!私がそいつをボッコボコにするから」
華世ちゃんは恐ろしいほどに不機嫌だった。こんなにも私を大事に思ってくれてたなんて、嬉しくて目頭が熱くなる。
でも暴力はダメなの、困るのよ。