翔ちゃん雨だよ一緒に帰ろ?

「いやだから、それは友達の話で……」


「今更何言ってんの!なんかされたんでしょ!さてはあのA組の幼なじみだね?」


「いやあの、えっと……」


「おそろしくモテてるのは知ってるし、イケメンすぎて中学のときから知名度高かったし、目の保養にすっごくいいから時々こっそり眺めに行ってたけど!」


「華世ちゃんが、なんかこわいぃ」


オロオロしてももう遅い。
正義感の強い彼女には、そういう浮わついたことは許せないんだと思う。


あと翔ちゃんのこと見に行ってたなんて初耳よ?


「それにさ、あたしよそ校だけどチャラい奴らとばっか遊んでたのも知ってるし、彼女も週替わりって噂もあったんだよ。それがこともあろうか幼なじみを餌食にするなんて許せないよ!」


鼻息が荒くなっている華世ちゃんを、どう落ち着かせればいいのか。


自分の質問は迂闊だったともう反省してる。取り消してしまいたい。


「違うでしょ、平澤さんは宮辺を襲いたいんだよね?長年のお友達関係が崩れるのをワンチャン狙ってんだよね?」


「違うよバカ!岡崎君のバカ!
名指しやめてよバカバカ!」


岡崎君のことはほんわか男子だと思ってたのに、今はすっごい意地悪に見える。


「うそ、当たりだ?
やっぱあの幼なじみだ!」


「違うっ!全然違う!」


友達の相談だって言ってるのに、そんなこと誰も頭にないみたい。



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