翔ちゃん雨だよ一緒に帰ろ?
「ねぇ。『そんなシーンかいたこと忘れてた』ってさっき言った?」
私、聞き逃さなかったよ?
「あっ!」
「あっ!て?」
岡崎君て。
もしかして。
もしかして?
もしかして!!
「う、うそだ ━━━!!」
「岡崎が?え━━っっ!!!」
「その先は言っちゃダメ」
叫びだしそうな私と華世ちゃんの口は、
彼の強い眼力でもって塞がれてしまった。
「絶対秘密だよ。そうしなきゃいけないからあの人は覆面漫画家なんだ。わかる?」
「う、うん」
「わ、わかった……」
ビックリしてる私達を横目に岡崎君は机の上に置いてあった漫画を手にとるとパラパラとめくって、うわぁ、へったくそ!
と恥ずかしそうに笑ってみせた。