翔ちゃん雨だよ一緒に帰ろ?
「じゃ問1やってみ」
「うん!」
2分経っても、5分経っても
消しクズが増えていくだけで正解が全く見えてこない。
「こんなんじゃ追試確定じゃん。
一緒に帰るの無理だな」
「えっ、それは困る!」
「じゃ、真面目にやれ」
「ずっと真面目なんだけど」
髪をアップにして、必死に問題を解いていたら、ふと小さなつぶやきが降ってきた。
「あーあ。家で勉強すればよかった」
「なんで?退屈?」
「そうじゃなくて」
私は翔ちゃんの隣にいられたらどこだっていいけどな、と思いながらひたすら問題を解く。