翔ちゃん雨だよ一緒に帰ろ?
帰り道。私は満足してた。
これが達成感というものなのか。
だって時間内にほんとに10問解けたの!
3問は間違ってたけど、私にしてみたらあの短時間で出来たことがものすごい進歩。
勉強が楽しいと思わせてくれる翔ちゃんってすごい。
「で、ご褒美何がいい?」
実は翔ちゃんに言われる前から決めてたんだ。夢にまで見たあれをリクエストできる日がくるなんて。
「えーと。手を、つなぎたい」
「そんなんでいいんだ?」
「そんなんがいい」
「……可愛すぎるからやめろ」
ちょっと顔を赤くして翔ちゃんはそっと手を繋いでくれた。
大きくて少しゴツゴツとした翔ちゃんの男らしい手の感触にドキドキする。
「あと10回クイズしたいの」
「まだあんの?別にいくつだっていいけど」
ふたりは今たぶん、ちょっとだけ照れ臭い。