翔ちゃん雨だよ一緒に帰ろ?

「姉貴の知り合いの妹だか弟だかに勉強教えるだけだからバイトなんていえるほどのもんでもないんだけど、帰りは夜になるからさ」

「ねぇ、妹だか弟だかって?」

どっちなの?
それこそが肝心なんじゃん。


しかも家庭教師やるってことだよね。
お部屋にふたりきり?
ないないない!
新米彼女の私が穏やかでいられるわけがない。


「気になる?弟だか妹だか」

「べっ、別にそこまで気にしてるわけじゃないけどさぁ」


翔ちゃんはクスクス笑ってる。
その大人びた感じ好き。でもなんか腹立つ!


くそー、いつか私だって翔ちゃんにやきもちを妬かせてやる。そんな女子になってやるー!


「やきもち妬くんだ?中学生に」

「ま、まさか!そんなんじゃないよ、こっ、子供相手にさぁ」

「なーんだ、つまんねー」


いや、翔ちゃん!
ほんと言うとやきもちを飛び越えてメラメラ敵意なの。殺意じゃないだけ褒めてほしい。

< 236 / 347 >

この作品をシェア

pagetop