翔ちゃん雨だよ一緒に帰ろ?
だって、女子ってお金かかるもん。
……というか翔ちゃんに可愛いって思われたいから、ちょっと背伸びしてみたい。
新しいワンピースもコスメも欲しいし、できれば違う髪色にも挑戦してみたいよねって、華世ちゃんとも盛り上がってしまった。
何より翔ちゃんのいない時間を退屈に過ごすよりは、夏休みのデート代を稼いだ方が健全だと思った。
でも、このバイトのことを翔ちゃんに何て言うか困った。オカン系で心配性な彼に不審がられないようにしなければ。
短期だということ。
華世ちゃんと一緒だということ。
事務のお手伝いでとにかく地味なお仕事なんだと、ある日の帰り道、しどろもどろに説明してみたら、翔ちゃんは頑張れよって普通に応援してくれた。
「翔ちゃんの方はどんなかんじなの?」
その子がどんな子か気になる。