翔ちゃん雨だよ一緒に帰ろ?
立場が逆だったら絶対動揺する。
説明どころか言い訳すらしてもらえないなんて、相手を疑う気持ちがイヤでも芽生えてしまうはず。
翔ちゃんは今きっと不安だと思う。深く傷付けてしまったってわかってる。
でも涙目で毎日をやり過ごす以外に、できることが何もないの。
何がどうなってこんなに翔ちゃんに会えない日々が続いているんだろう。
翔ちゃんがいないと息をすることさえしんどい。
このまま嫌われて心は離れていくなんて、
そんなの、いやだ。
「……ちゃん……美緒ちゃん!」
「ん、なに?」
ぼんやりしていて、何度も華世ちゃんに呼ばれていたことに気づかなかった。
最近はふたりが私を腫れ物のように扱ってくれのが、逆につらい。
うまく笑えているか。
自然に振る舞えているか、自信がなくなる。
「やっぱ本当のことを言うべきじゃない?宮辺君はずっと美緒ちゃんの言葉を待ってるはず。それに岡崎の素性を口外したりするような人じゃないでしょ?」
華世ちゃんは私が話すより詳しく岡崎君からすべてを聞いたらしかった。
「うん、そうなんだけど、もうそういう問題じゃないのかも」
ぎこちなく笑ったら、癒えないままの傷が痛んだ。