翔ちゃん雨だよ一緒に帰ろ?
泣いちゃダメだ。
でも勝手に涙があふれてくる。


泣いちゃダメなんだってば。
なのにどんどん苦しくなる。


翔ちゃんを困らせちゃいけない。
泣き顔なんて見せられない。


そう思うのに、翔ちゃんが私の前からいなくなっちゃうって実感したら、
こんなにも取り乱すなんて。


翔ちゃんを誰にも取られたくない。


そう思ったとき、まだ雨の降る空に虹がかかる瞬間を見つけたみたいに
くっきりと、はっきりと
自分の気持ちに向き合ってしまった。


これは、消えない虹だ。
私は翔ちゃんのことが、好き。
すごくすごく好き!



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