翔ちゃん雨だよ一緒に帰ろ?

翔ちゃんは今どんな気持ちでいるんだろう、あの子に勉強を教えるのはいつまでだろう。


会いたい。謝りたい。
誤解を解きたい。
でも何を言えばいいかわからない。


嫌いにならないでほしい。失いたくない。
翔ちゃんのいない世界なんて考えられない。


「ねぇ、岡崎のこと宮辺君に話していいでしょ?明日美緒ちゃんの誕生日なんだよ。
もうこれ以上ほっとけないんだって」


そっと過ぎてしまえと思って誰にも言わなかったのに、華世ちゃんはちゃんと覚えてくれてたんだ。


「いいもなにも、俺がいちばん責任感じてるんだから」


係りの仕事を済ませて教室に戻ってきた岡崎君は、慌てた様子で鞄をあさっていた。


「で、何やってんの?何するつもり?」


「何って、誤解を解く。俺のせいだし」


「違う、岡崎君のせいじゃないよ」


私がバカで無神経だっただけなんだ。
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