翔ちゃん雨だよ一緒に帰ろ?
待ってて
いつも勉強を見てやってた時間帯はこれから夏期スクーリングになるとかで、
最近は塾に近い俺の家で予習をしてからそこに通うようになっていた。
そのせいで美緒と下校することもできなくなった。というのは言い訳だ。
でも俺にとってはちょうどよかったんだと思う。冷静さを取り戻すための時間がたぶん必要だから。
何か理由があるはずだと思ったから、あの場を立ち去った。
すぐに美緒から連絡がくるはず、それで解決するはずだと思っていたけれど、メールはすぐに途切れた。顔も見せないし、電話も鳴らない。説明っていうか、言い訳もみつからないってどういうこと?
こっちから詰め寄るのも何か違う。
美緒があんだけかばうんじゃ、岡崎を責めることもできない。
もう堂々巡り。
落ち着いて話を聞けるか、今となっては自信もない。無駄に言い争ったりもしたくないし。
どんな顔をすればいいのかわからないし、会えば問い詰めてしまいそうでほんとはすげー怖い。
俺はそんなに大人じゃなかった。