翔ちゃん雨だよ一緒に帰ろ?
クラスに行けばきっと岡崎にも出くわすことになる。
あいつの顔を見たら問答無用で殴りかかりそうな気がしてるうちは、落ち着いて話なんかできないと思う。
だから、今はひたすら我慢。あれには何か理由があるはずなんだ。
なんでもいい。
言い訳でいい。
話してよ。
信じたい。
なのにそれが、こんなにも難しい。
うちで俺のスエットやTシャツを着てる美緒が当たり前だった。
だから想像もしなかったんだ。
まさかよそんちの男の……それも体操服なんてものを着て、そいつんちのサンダルまで履いて、駅前なんて人目につく場所にいるなんて。
わざわざ会っていたって状況を思うと、自分の動揺を静めることのできるものなんて、なにひとつ思い浮かばない。