翔ちゃん雨だよ一緒に帰ろ?
「それにさ、生まれ変わるって抱負はちょっとデカすぎない?セロリを食べられるように頑張るとか、最初の目標設定はそれくらいにしとけば?」
失礼すぎる言葉を平然と放ちながらこちらにやってくる。
私がセロリを食べられないって、なんで覚えてるの?
ちゃんと覚えててくれたことにいちいちキュンとして、それがなぜだかすごく悔しくなった。
「もうやだ、へりくつ男子はあっちにいってよ!」
あの優しい香りをまだ身に付けたままだもん。
それを受け入れられるようにならなきゃいけないのにこんなにも強く拒否反応を起こしてしまう。
でも後ろから翔ちゃんが小さなくしゃみをしたから我に返った。
「ごめん、翔ちゃんも濡れてたんだった」
まずやるべきことは、ここを出ること。
占領しちゃダメだった。