翔ちゃん雨だよ一緒に帰ろ?
「あっちにいくのは美緒だろ。それとも脱ぐの見てるつもり?」
私の隣で表情ひとつ変えずに、堂々と濡れたシャツのボタンを外していく。
「ちょっと待って!なんで!ストップ!」
「無理。寒いんだもん」
脱ぎかけたシャツの襟ぐりが開いて、
男の子らしい喉のラインと綺麗な鎖骨があらわになったから、慌てて視界を塞いだ。
隠すべきは赤く腫れた目だけじゃない。
泳ぐ視線と、真っ赤にはじけそうに熱くなった顔も隠さなきゃ。