翔ちゃん雨だよ一緒に帰ろ?
香りの記憶は消せなくて





「たっだいまー!雨半端ないわぁ」


美緒とほとんど入れ違いで姉ちゃんが帰宅した。


「姉ちゃんいいとこに帰って来た!」


「なに?なんかあった?」


「乾燥機の中身どうにかして」


「はぁ?」



姉ちゃんは浴室の乾燥機に直行してたぶん扉を開けて中を確認したんだろう。



「なによこれ。高校入ってちっとはマトモになったと思ってたのに誰連れ込んだんだよクソ弟!」


「違う違う、美緒のだから届けてくれって言ってんの」


「は?それもまた聞き捨てならんな」


姉ちゃんは端から見ればキレイ目の今時女子大生なのに、かなり屈折してる。



おまけに口が悪い。
性格はもっと悪い。

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