会長。私と恋のゲームをしてください。
「あのね。明日、学校がお休みで、会長とお出かけをするの」

「えっ、ほんと!? あのお兄ちゃんと!?」



きゃぁっ、とテンションが高くなる夏樹ちゃん。

夏樹ちゃんの様子からして、会長と出掛けることに反対はしていないみたいだけど……。



「うん。それでね。……少しでも可愛くなれたらいいな、と思って」

「うんうん」

「夏樹ちゃん、可愛いから。いろいろ知ってそうだし……」



再び声を上げる夏樹ちゃん。

『可愛いって言われた!』と嬉しがる夏樹ちゃんは、本当に可愛いと思う。

天使にしか見えない。



「だから……。お願いできないかな?」



手を合わせてお願いをする私。

夏樹ちゃんは、にこっと笑って。



「まかせて!」



と、ガッツポーズをしてくれた。


頼もしいかぎりだ。

こんなに強い味方がいるなんて……。



「ありがとう」



お礼をいう私の手を取って、夏樹ちゃんは階段を上ろうとする。
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