会長。私と恋のゲームをしてください。
大きなポーチを持ってきた夏樹ちゃん。

中になにが入っているんだろう、と思ってみれば。


ファンデーション。

それも数種類。


チーク。

これも数種類。


アイシャドウ。

これも……。

数種類。


他にも、マスカラやアイライナー、リップにグロス。

たくさんの化粧品がポーチに詰められていた。



「夏樹ちゃんって、中学生だよね」

「うん、そーだよ? あ、これ!? 学校がお休みの日に練習しているんだー!」

「すごいね……」



なんで、アイシャドウだけでもいろんな種類があるのか分からない。

1種類だけでもよくない?

たくさんあったら、使いきれないじゃん……。


不思議だ。

未知の世界だ……。


と、思っていると。


夏樹ちゃんは、私の顔とメイク道具を交互に見ていた。

たくさんあるメイク道具の中から、ひとつずつ選んでいるようにも見える。


なにをしているんだろう……。
< 120 / 287 >

この作品をシェア

pagetop