会長。私と恋のゲームをしてください。
夏樹ちゃん……?



「先週、クラスの友達とショッピングモールに行ってきて」



夏樹ちゃんがぽつりぽつり、と話す。


そいえば、先週の日曜日。

夏樹ちゃんが『友達と出掛けてくる』って出掛けていったことを思い出す。



「美雪ちゃんになにかお礼をしたくて、一緒に探してもらっていたの」

「え、そうなの?」



こくん、と頷く夏樹ちゃん。



「なにがいいのか分からなくて。……ふと、入ってみたお店があって」

「うん」

「この洋服を見つけたの」



夏樹ちゃんと手にあるワンピースを交互に見つめる。

夏樹ちゃんがショッピングモールを歩き回っている姿を想像する。

なにかを探している夏樹ちゃんの顔も。

このワンピースを見つけたときの夏樹ちゃんの顔も。


想像できた。



「美雪ちゃんに似合う! と思って、プレゼントしよう、って……」



語尾が小さくなっていく夏樹ちゃん。

夏樹ちゃんは、私のためにどれだけ歩き回ってくれたのだろう。


そう考えると愛しく思えてたまらなかった。
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