会長。私と恋のゲームをしてください。
「き、たざわ?」



頷く私に、驚いた様子の会長。

会長はベンチに座ったまま固まっていて。

私は首を傾げるばかりだった。


首をかしげると、はらりと落ちてくる髪の毛。

さらさらと、首元にあたってくすぐったいなぁ、と思っていると。


会長の手が伸びてきて。

私の首筋にかかる髪の毛を掻き分けてくれた。


ビクッと肩が跳ねる。



「あ、悪りぃ」

「い、いえ……」



好きな人に触れられると、ドキドキする。

だけど、ビクッて、体に電流が走ったようにもなるんだ。


掻き分けてくれた髪の毛に手を添えてみる。


会長に触れられた場所……。


って、私は変態か!


そんな私の姿を見て、会長は笑った。



「行こうか」



そう言って差し出されたのは、会長の大きな手だった。

にこにこ、と微笑んでいる会長。


この手につかまれ、と?

そんな恥ずかしいこと……。
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