会長。私と恋のゲームをしてください。
「私のファーストキスが……っ。ひっく。けほっ、」

「あいつに、なにされた」

「無理やりキスされて、ワンピース破かれて、」



会長が舌打ちをしたのが分かった。



「北澤。……ごめん」



会長が謝ったと思ったら。

目の前には、会長のドアップがあって。

唇には温かいものが触れていて。


私、会長にキスされている……?


それは、長くて、短かったような、不思議なキス。

ゆっくりと顔が離れたと思ったら、会長のほんのり赤くて、悔しそうな顔が瞳に映った。



「かいちょ、?」

「怖いか?」

「え?」

「俺のことが……。怖いか?」



なんで。

会長のことは怖くない。


私は思いっきり首を横に振る。



「怖くないですっ。会長は、私をっ! 助けてくれた……」



ありうがとうございます。


そう、伝えると、再び会長のキスが振ってきた。

今度は唇だけじゃなくて、頬や額、首筋、いろんなところにキスされた。


くすぐったくて。

だけど、気持ちよくて。


頭の中がとろけてしまいそうだった。
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