会長。私と恋のゲームをしてください。
なんて言えばいいんだろう。

まだ、いじめられているという確信はないし。


たまたま私の靴箱へ?

いやいや。

誰の靴箱でも、こんなことはしちゃいけないよね。


会長になんて言葉を返そうか悩んでいると。

会長が近づいてくる。

それも一歩一歩、確実に。



「北澤。どけ」

「いやいやっ! それは出来ないです!」

「なにを隠している」



最後まで下駄箱の中を見られないよう頑張ったけど、会長は簡単に私の下駄箱を開けた。



「っ!」



私の下駄箱から放たれる悪臭と、ゴミ屋敷……ならぬ、ゴミ下駄箱。

会長は目を大きく見開いていた。


うん。

普通はそうなるよね。

私も同じ反応したもん。



「北澤」

「……はい」

「気をつけろ」



会長は、ゴミ箱化した下駄箱の中に手を突っ込んだ。

下駄箱を片付けようとしてくれる会長。
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