会長。私と恋のゲームをしてください。
教室に入ったら、冷たい視線を浴びた。

ひそひそ噂話も聞こえた。

授業中に、紙で作られたボールを投げられた。

頭に当たって落ちた紙を広げれば、『消えろ』と書かれた、心無い言葉。


誰が投げたのかなんて分からない。


……分からなくていいんだ。


分かったところで、何も意味がない。

ひとりでお昼休みを過ごしても、何も感じないように心にふたをする。

クラスメイトが私の横を通りすぎるたびに放つ悪口も、聞こえないふり。

聞こえないふりさえしていれば、大丈夫。


……大丈夫だから。


そう、何度も自分に言い聞かせては、心にふたをする。
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