会長。私と恋のゲームをしてください。
「理樹くん……」


理樹くんは眉が下がって、少し切なげな表情をしていた。


私は、地面に足をつけてブランコをとめる。

そんな私に理樹くんは近づいて、私の目の前で腰を下ろす。



「どうしたの……、って聞く必要もないか」

「え?」

「噂……。うちのクラスまで届いている」



『なんの噂?』なって聞かなくても分かる。

きっと、『生徒会書記の北澤 美雪がいじめのターゲット』と、いうところだろう。


うつむく私の頭に、ぽんと理樹くんの大きな手が乗っかる。

『大丈夫?』と、聞かない理樹くんの優しさに胸が痛んだ。
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