会長。私と恋のゲームをしてください。
「私も。写真をバラまいたのは彩菜先輩じゃないと思います」



ピリピリとした空気が私たちを包む。

手が震えてくる。

足もガクガクする。


全校生徒に広まった写真への怖さなのか。

見えない犯人への怖さなのか。

それとも、怒りを隠しきれていない2人への怖さなのか。


分からない。

そんな私に気がついたのか、会長は私に目を向けた。


こわばる表情。

それは会長も同じで。


なにか、私たちの間に亀裂が入ったような気がした。


会長は、理樹くんのシャツから手を離す。

理樹くんのシャツの第2ボタンがとれた。

そのシャツの隙間から夕日に当たって光ったのは、シルバーのネックレスだった。
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