会長。私と恋のゲームをしてください。
「それ……」



思わず、呟いてしまった。

会長もネックレスに気がついたのか、理樹くんの胸元を見つめている。


そんな私たちに、理樹くんは見せ付けるかのようにネックレスに手を触れた。



「前に、美雪ちゃんからもらったネックレスだよ」



覚えている。

理樹くんが中学を卒業するとき。

なにか記念にプレゼントをしたくて、ネックレスを買ってプレゼントしたんだ。


中学生のちょっとしたプレゼント。

それを、理樹くんはずっとつけていてくれていたんだ。


でも、このタイミングで知りたくなかった。


会長の目の前なのに。

会長に誤解されたくない。
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