会長。私と恋のゲームをしてください。
ソファに座る。

その隣に夏樹ちゃんが腰掛ける。



「お兄ちゃんの気持ちを聞いてあげて欲しい」



顔を上げると、夏樹ちゃんは私を見ていた。

目をまっすぐに見ている。

そらすことなくまっすぐに。



「そして、美雪ちゃんの正直な気持ちも伝えて欲しい」



夏樹ちゃんの言葉が心に響いた。


会長の気持ち……。

私の気持ち……。


会長の気持ちを聞くことは正直怖い。

なにを思っているのか、確かめることが怖い。


私の気持ちを伝えることも勇気がいる。

すべてをさらけ出すことは簡単なことじゃない。
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