会長。私と恋のゲームをしてください。
この足元に散らばったものを捨てたくても捨てられないじゃん……。


捨てるってことは会長との思い出を捨てることと同じだと思うから。

自分の手で捨てることなんて出来るはずがない。


私は紙くずにしかみえない写真を、1枚1枚、丁寧に拾った。

会長との思い出を私の心に刻み付けるように。


だけど、やっぱり、写真を破かれるということは苦しかった。

苦しくて、苦しくて。

破れた写真を拾うたびに、会長の笑顔を思い出す。


私が悪かったのかな。

地味子の分際で、会長と一緒にいたいと思うこと……。

それは願ってはいけない願い事なのかな。


教えてよ。

会長……。


拾い集めた紙を握り締める。

私の心はどしゃぶりの雨だった。
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