会長。私と恋のゲームをしてください。
『なんでもないよ』



と、私は笑顔で返す。



『ユキは笑顔が似合う』



ドキッとする甘い言葉。

そんなこと言ってくれるのはハルくんだけ。


自分で思って、苦笑する。

なんだか複雑な気持ちになってしまう。

生徒会のことも思い出したくないのに思い出してしまうし、ハルくんの甘い言葉に惑わされてしまうし。



『今日はもう寝るね』



それだけ言って、私はゲームの電源を落とした。

ゲームの電源を落としてから思った。




「データ保存するの忘れたぁっ!」



大きなため息をついて、私は後悔に襲われた。


なんだか、今日はついてない日だなぁ。

ゲーム機をしまって、ベッドへ入る。

明日こそ、いい日になりますように。
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