会長。私と恋のゲームをしてください。
破かれた写真は鞄の中にしまった。

今日もスリッパを借りて、教室に向かう。

階段を上る足取りは重くて。

前なんか見ることが出来なかった。

うつむいたまま階段を上る。

階段を上っていると、上から女子生徒の声が聞こえた。



「地味子じゃん」



見上げれば、3年生の女子2人組みが私を見下ろしていた。


誰だろう?


関わったこともない先輩たち。

その先輩たちは、ギャルと呼ばれる枠に入るような見た目だった。


明るい髪色に短いスカート。

私とは正反対の見た目。

そんな彼女たちは、私を見て鼻で笑う。



「生徒会書記がイメチェン? 似合わないんですけどぉ」



メガネも三つ編みもしていない私。

それだけで笑われるのかな。


言葉が出てこなくて階段のところでうつむく。


それが悪かったのかな。

立ち止まる私の横を通り過ぎる先輩たち。


どんっ!


思い切り肩があたる。

バランスを崩す。


そう思った瞬間には、すでに足は宙に浮いていて。

私の体は重力に逆らえず階段から落ちていった。


どすんっ。


鈍い音ともに、声を発することも出来ない痛みが全身に広がる。
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