会長。私と恋のゲームをしてください。
「うっ……」



起き上がることも出来ないほど強く打ったのだろうか。

身動きをとりたくても、とることが出来ない。



「ちょっと! 今のはヤバくない!?」

「あ、あいつが悪いんだし!」



そんな言葉が聞こえてくる。

そしてパタパタと足音が聞こえる。

その足音は遠ざかっていった。


……ぶつかったのは、わざとだったの?

階段から落ちた私を知らないふりして逃げていくの?


助けて。


それは言葉にならずに、私は意識を手放した。

遠くで朝のホームルームのチャイムが聞こえたような気がした。

それと同時に私の名前を呼ぶ声。


私の名前を呼んでくれるのは、誰……?
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