会長。私と恋のゲームをしてください。
「だけど、春馬くんは全然私を見てくれなくて。北澤さんばかり見ていて」

「……っ」

「悔しくて。思ってもない酷い言葉ばかり言ってしまった……」



涙を流しながら話してくれる彩菜先輩。


彩菜先輩の気持ちが流れるように伝わってくる。

彩菜先輩は会長のことが好きで。

突然、生徒会に現れた私の存在に嫉妬して。


……彩菜先輩の気持ちを想像すると、心が痛んだ。


私が彩菜先輩の立場だったら……。

嫉妬だけで済まないと思った。



「ごめんなさい……」



何度も謝る彩菜先輩。


確かに酷い言葉を浴びせられたけど。

彩菜先輩は悪くないと思う。


恋は盲目、って言うくらいだし……。

私も会長のことが好きだから、分かる気がする。



「彩菜先輩」



私はベッドに横になったまま、彩菜先輩に笑顔を向ける。

それは、久しぶりにあふれた、心からの笑顔。


彩菜先輩は涙を拭きつつ、私と目を合わせてくれた。
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